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ゲームをローカライズするための準備:10の基本ルール

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待望のローカルリリースが決まった直後から、多くのゲーム開発者が今度は海外ゲーマーをより多く惹きつけられる方法について考え始めます。

他の国々に向けて宣伝をしてみた後で、遅かれ早かれ、ローカライズするアイデアが浮かんでくるはずです。

そのため当社は、可能な限りスムーズにローカライズできるように、開発者が開発プロセスの初期段階から従うべきルールをここにリストアップしました。

1. ローカライズする言語を事前に選択する

まず、始めるにあたり、どのようにして有望なロケールを予測すればよいのでしょうか?

  • 競合他社のローカライズを分析する。

    一般的に、ライバルのゲームが特定の市場で豊かな土壌を既に発見している場合は、貴社にも成功するチャンスがあります。

  • ジャンル別にローカライズを評価する。

    例えば、インディーデベロッパーがレトロなスタイルのローグライクゲームのリリースを検討している場合、そのジャンルでの成功例を見れば、そこから候補地のヒントが得られる可能性があります。

  • ゲームのローカライズで最も必要とされている言語を調べる

ただし、ローカライズのプランがあるにせよ、当社の「基本ルール」は、可能な限りソース言語を英語にすることです。そして、初日から2つのロケールを念頭に置きながら開発することをお勧めしています。

「デフォルト」のロケールは、英語と母国語(英語でない場合)の2つにしましょう。このアプローチには、複数の利点があります。1つ目は、後からゲームを新しい言語に翻訳する際に英語をソース言語として使用でき、一貫性を保つことができることです。2つ目は、初日から2つの言語を使用することによって、ローカライズの準備段階で陥りやすい落とし穴を自動的に回避できることです。そうすれば、20言語に増えたとしても、ほとんど違いはありません。

2. 想定される言語に合わせてインターフェイスを調整する

インターフェイス要素を構築する際には、一般的に他の言語を考慮して少なくとも30%(可能であればそれ以上)余分にスペースを計画しておくと良いとされています。これは特に、短い文字列(メニュー項目、UIなど)に有効です。

ただし、ルール1を考慮に入れ、事前に多数のロケールを計画している場合は、他にも有益なオプションがあります。それは、最悪のケースの言語を想定してインターフェイスを設計することです。

例えば、ドイツ語版のテキストは英語版よりも平均30%、ロシア語版は約10%長くなります。これは通常アラビア語版にも当てはまります。一方、繁体字中国語の文字は、一般的に英語のテキストよりも30%少ないスペースで済みます。

バイトに関しては、ラテン文字は1文字あたり1バイトですが、キリル文字やアラビア文字はその2倍の大きさです。これはデータの保存方法を計画する際にも考慮しなければなりません。

コードにテキスト文字列を組み込まない

ローカライズするためにテキストを変換すると、ハードコードされた文字列が失われてしまいます。ローカライズが必要なすべての文字列は、コード行に触れずに編集できるようにしておく必要があります。もう1つの重要なヒントは、小さな単一の単語から成るテキストの断片は作成しないようにすることです。

実際に、ローカライズプロセスを開始するために行わなければならないすべての技術的タスクは、国際化プロセス(略称 i18n)に起因しています。

4. 時間、日付、測定単位、数値もローカライズする

数値情報もまた、ローカライズするためにコードから抽出する必要があるので、ハードコード化してはいけません。

また、インターフェイス内の数字はデザイン変更ができるようにしておく必要があります。例えば、ゲームのタイムラインを刻む時計はローカライズした方がよい可能性があります。この根底にある理由には、多くの西側諸国ではモノクロニック(単一的)が主流で時間を棒状のタイムラインで表現することに慣れているのに対し、アジア諸国では時間を円で表現することが好まれるということがあります。

言うまでもありませんが、日付や単位の形式はほとんどすべての言語において異なります。

5. プレースホルダーやフォーマッタを使用して、アクセス可能にする

ローカライズとテキスト編集に関しては、プレースホルダーの使用は、テキストをハードコーディングするだけの適切な代替手段に思えることがあります。ただし、プレースホルダーにアクセスできるようにしていなければ、諸刃の剣になってしまう可能性があります。

この問題は、単語やフレーズの順序が別の言語では全く異なる可能性があることに関連します。そこで当社が推奨するのは、プレースホルダーをフレーズの一部とし、コンテキストに挿入できるようにする方法です。ここに「良い」例と「悪い」例を挙げてみましょう。

悪い例: "Mommy ate " + %num + " apples."("ママが食べた" + "%num個 + "リンゴ。") 良い例: "Mommy ate %num apples."("ママがリンゴを%num個食べた。")

プレースホルダーの簡単な説明もまた、非常に便利です。プレースホルダーが前のテキストに誤って関連付けられている、または関連付けられていないと見なされた場合に、これによって混乱を回避することができます。

6. 画像内のテキストは避ける

ゲームに画像を使用する場合、特に画像にテキストを多く含んでいる場合は、画像のローカライズも視野に入れてください。これは、画像全体をゼロからデザインし直すことを意味します。

ターゲットロケールの色や文字の基準を満たすように、画像やクリエイティブアセットは再デザインした方がよいでしょう。ただし、翻訳したテキストを単に挿入するためだけに行うのであれば、時間と労力の無駄遣いです。

7. 適切なエンコーディングとフォントの使用を心がける

文字列クラスに適合しない特定の「特殊」文字を使う必要がある場合、エンコーディングの問題は避けれらません。ローカライズ後のターゲット言語のエンコーディングが一致していない場合、読解不可能な文字を削除するのに膨大な時間と労力をかけなければならなくなる可能性があります。

また、フォントにも同様の問題が生じます。特に、ゲーム用の特定の高級フォントには、すべての言語のグリフが含まれているわけではありません。そのため、言語ごとに異なるフォントを選択する必要があります。フォントを選択する際には、この点に留意することをお勧めします。誤ったフォントを選択をすると、翻訳されたテキストではなく、ボックス(□□□)の羅列になってしまう危険性があります。

当社は可能な限り、ASCIIよりもUnicodeの使用を推奨しています。 UTF-8は最も一般的でスペース効率の良いエンコーディングです。入力ファイルが正しくエンコードされているかどうかを、必ず確認するようにしましょう。

8. ローカライズの準備ができたら、疑似翻訳で試してみる

上記で説明した技術的な側面の準備がすべて整ったら、テストを実行してみましょう。Web上には優れた擬似ローカライズツールが多数あります。これはテキストの長さの調整や、エンコーディングやハードコードされた文字列のチェックなど、まるで外国語であるかのようにインターフェイスを模倣することができるものです。

これらのツールは、基本的にターゲット言語を模倣したスクリプトを実行してビルドを作成します。その後、ローカライズされていないビルドとして通常のプロセスでQAテストを行う必要があります。

9. 用語集の作成は早期に開始する

用語集とは、ゲーム内の用語や概念のコレクションであり、ゲーム全体を通して一貫して維持しなければならないものです。主に、アイテム、キャラクター名、アーティファクト、ステータスなどが含まれています。

ゲーム全体で用語集の一貫性を維持していくことは極めて重要です。例えば、ゲーム内のあるアイテムが、ある場所では「ポーション」、別の場所では「エリクサー」と訳されていたとしたらどうでしょう。

10. コンテキストを提供する準備をする

用語集の提供と同様に重要なのは、ローカライズチームが必要なコンテキストをすべて把握できるようにすることです。当社の経験では、翻訳者、ローカライズプロジェクトマネージャー、ゲーム開発者の間でコミュニケーションをとることによってコンテキストを確立しています。

ここに挙げたシンプルな推奨事項をゲーム設計の参考にして頂ければ幸いです。貴社の成功でより多くのプレイヤーを魅了していただけることを願っています。

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