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アプリを多言語化・翻訳する前に知っておきたい6つのこと

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アプリの利用需要が高まるにつれて、海外展開のためにアプリを多言語化するケースも増えてきています。

ニールセンが2020年に発表した調査では、日本においてスマートフォン利用時間のうち92%がアプリの利用時間を占めていることがわかりました。一方でWebブラウザを利用しているのは8%と、年々アプリを使用する時間が増えているようです。

アプリを多言語化したいけど、どうすればいいか分からない。そんな方に向けて、アプリの多言語化をする前に知っておきたい6つのポイントをご紹介します。

1.本当に多言語化が必要?

アプリを翻訳する上で、まず考えたいのが、翻訳をしたところでどれだけユーザー数や売上の向上につながるのかということ。この点を考えないで、闇雲にいろんな言語に多言語化してしまうと、後々大変なことになります。

逆に言えば、この点をしっかりと考えておくと、どれぐらいの予算や労力をかけられるのか、ということも見えてきます。

Alconostがローカライズを行なったアプリの1つに、マッチングアプリの「Badoo」があります。当初、クライアントの希望は、イスラエルをターゲットとしているので、公用語であるヘブライ語にも翻訳したいということでした。

しかし調査の結果、アプリ使用ユーザーのうちヘブライ語を選択しているのは、たったの6%だけ。残りのユーザーは、英語を選択していることがわかったのです。さらに、イスラエルでは人口の85%が英語を話し、日常生活において英語がかなり浸透していることがわかりました。この結果を踏まえて、ヘブライ語への翻訳は見送られました。

このように、公用語として別の言語があっても、英語の方が日常的には使われているという国は意外とあります。

多くのアプリは頻繁にアップデートが発生すると思います。機能変更、新機能の追加、デザインの変更など。翻訳先の言語が増えるほど、多言語化に費用も時間もかかります。

仮にアプリを5言語に翻訳したら、アップデートの度に、5言語分の追加翻訳をして、チェックして、テストをして・・・アプリの場合、一度翻訳したら終わりではなく、アップデートをする度に、同様の作業を繰り返して行わなければなりません。

そこまでの労力をかけてもリターンが見込めるのか、という長期的な視点を持っておきましょう。

2.用語集は必須

アプリ全体の統一感をキープするためにも、用語集は欠かせません。アプリのアップデートの度に、違う翻訳者が担当した場合、翻訳者やバージョンによって、用語が変わってしまうことがあるからです。

用語集は通常、メニュー名や機能の名前、通過、アプリ内でのアクション(いいね、お気に入りなど)が含めまれています。

各言語ごとに用語集は必要で、アプリコンテンツのアップデートの度に、定期的に更新する必要があります。

用語集と並んで重要なのがスタイルガイド。こちらは、アプリのトーンを定義するもので、言葉の選び方(カジュアル、ビジネスなど)や表記方法、インターフェイスに関するルールを含めたものです。

3.文化を考慮する

アプリの多言語化というと、文字を翻訳するだけで良いのでは?と思うかもしれません。実は、そこに落とし穴があります。例えば、人気RPGゲーム「ペルソナ5」の日本版では、とあるキャラクラーの靴に旭日旗が描かれているのですが、韓国版では削除されています。

アプリのケースだと、マッチングアプリに出てくるような「マリファナを吸いますか?」という質問は、マリファナが違法になっている国では、この質問を差し替えもしくは削除する必要があります。

Alconostがローカライズを手がけたマッチングアプリ「Bumble」では「Beeline」と呼ばれる機能があるのですが、別の国では同じ名前の携帯会社や、別の商品を意味するものだったりするので、ローカライズの際に機能名を変更する必要がありました。

このように、翻訳だけでなく、相手先の文化や言語の文脈にマッチするかといったことも考えなければなりません。

4.アプリ上での表示に注意

言語によっては、訳語が短すぎたり、長すぎたりして、ボタンやメニューセクションにきちんとおさまらない場合があります。英語やヨーロッパ言語のラテン文字は1バイトなのに対し、日本語や中国語はその2倍のスペースが必要になります。

例えば、アマゾンのアプリを例に見てみると、英語版ではメニューにある”See All Program”が、日本語版では”すべて見る”になっています。

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直訳である”すべてのプログラムを見る”にしてしまうと、メニューに綺麗におさまらない上、メニュー名としては長ったらしくなってしまうので、簡略版にしたのだと思われます。

また、英語版では"Subscribe & Save"(直訳だと定期購入でお得に)となっていますが、日本語版では"定期おトク便"と、日本人にとって馴染みやすいサービス名になっています。

動画投稿アプリTikTokでは、英語版だと”For You”になっている部分が、日本語版では”レコメンド”になっています。そのまま、”あなた向け”とすると、違和感のある訳になってしまいます。

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TikTokアプリ上では、"レコメンド"になっていますが、これは個々のユーザーにおすすめ動画を表示している、という文脈だからこその訳語だと思います。他のアプリや文脈であれば、別の訳語もありえたでしょう。 アプリを多言語化する際には、単純に文字を置き換える"翻訳"だけでは、不十分なのです。アプリでどう表示されるか、アプリの文脈にあった訳語になっているか、相手先の文化などこうした点を考える必要があります。これらは、翻訳というよりもローカライズと呼ばれるものです。

翻訳とローカライズの違いについては、こちらの記事を参照 3分で分かるローカライズ。翻訳とどう違う?

5.ローンチ前にテストする

アプリのローンチ前には、必ずアプリをテストして確認する必要があります。テキストがはみ出ていないか、きちんと表示されているか、訳語はアプリのトーンにあっているか。

ネイティブスピーカーにとって、微妙な違和感があれば、リリース後に悪いレビューがついたり、ユーザーの離脱につながることも。もちろん、訳語だけでなく、アプリの使い勝手やアプリの内容によるところも大きいのですが・・・

文字だけでなく、デザインや機能もその国合わせて変更し、徹底的にローカライズしているアプリもあります。例えば、乳児を持つ母親をターゲットとしたWachangaの「授乳ノート」では、ユーザーの地域に応じてアプリ内のイラストも変更しています。

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Wachanga社の「授乳ノート」

子育てアプリ「Child Development」では、イスラーム圏向けには、お祈りの時間がわかる機能をつけたり、夫婦で子育てをする割合が多いヨーロッパ圏では、育児記録をシェアできるような機能もつけています。

もちろん、アプリの成長戦略や成熟度合いに応じたローカライズの度合いがあります。まずは簡単なテキストだけ翻訳して、アプリが成長したらデザインや機能変更も考える、といった段階的なローカライズもありでしょう。

6.効率的なローカライズ

一口に翻訳といっても、アプリの多言語化では、通常の翻訳以上のことが求められます。例えば、決められたスペースにおさまるように翻訳したり、相手先の文化を考慮するなど。

さらに、ローカライズ版の表示・動作チェック、修正といった作業も必要になります。これらがローカライズ(現地化)と呼ばれる一連の流れをまとめたのが以下です。

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単に文字を翻訳するだけではない。継続的にどうアプリをアップデートしていくか、ということをアプリの多言語化では考えなければなりません。

特に、アップデートの度に翻訳を依頼して、チェックしてというのは、かなりの労力がかかります。そうした労力を最小限に抑えるため、Alconostではアップデートが頻繁に発生するというアプリの特性を考慮した翻訳・ローカライズサービスを提供しています。

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Alconostが市場選定のアドバイス、用語集の作成サポート、ローカライズ、校正、動作確認、修正などアプリの多言語化に必要なローカライズ作業を丸ごとを請け負うスタイルです。

なるべく安く多言語化したいという場合には、セルフ翻訳ツール「Nitroで翻訳を注文することが可能です。一般的なテキスト翻訳にも対応していますが、スクリーンショット添付機能により、翻訳者にアプリでの表示を考慮した上で、翻訳してもらうことができます。

また一般的な翻訳ツールだと、言語ごとに翻訳の依頼をしなければならないのですが、Nitroの場合、多言語への翻訳依頼をまとめて行うことが可能です。アプリ内のテキストだけでなく、アプリストアの説明文や広告文の多言語化にも使えます。

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まとめ

アプリの多言語化は、思った以上に多くの作業が発生します。なので、本当にそこまで労力と費用をかけるべきなのかを考えることと、そうした継続的に発生する作業をいかに効率かさせるか、という点がポイントになります。


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アプリのローカライズ・翻訳に関するサービスの詳細はこちらからチェック。お問い合わせやご相談はこちらから。どの言語に翻訳すべき?進出するならどのマーケットがいい?といったご相談も承っています。

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